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2019年6月23日日曜日

キャッシュ・フロー計算書~消費税及び地方消費税の取扱い

1.はじめに

令和元年(2019年)6月19日の日本経済新聞に「企業投資、最高の52兆円 「ため込む」より「使う」 」という見出しの記事がありました。
 これによると、日本企業は、将来の企業の成長のために積極的に投資を行っているということです。日本経済新聞の調査では、その裏付けとして「投資キャッシュ・フロー」が「3年連続で最高」となり、「趨勢的に」増加しているということです。

 この記事に出てくる「投資キャッシュ・フロー」はキャッシュ・フロー計算書の「投資活動によるキャッシュ・フロー」のことと推測されますが、この「投資活動によるキャッシュ・フロー」には機械などの設備投資、有価証券の売買、貸付金の支出・回収などを記載する区分です。
 そのため、企業は、機械などを購入した場合、キャッシュ・フロー計算書にその支出額を反映する必要がありますが、今回は、キャッシュ・フロー計算書において、機械などを購入したときの消費税及び地方消費税の取扱いに関する留意点について記載したいと思います。

 なお、本稿は私見であることにご留意ください。

2.キャッシュ・フロー計算書と消費税及び地方消費税

日本公認会計士協会が作成している「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」では、36項に、キャッシュ・フロー計算書における消費税及び地方消費税(以下「消費税等」)の処理が記載されています。
 
 それによれば、「消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の「キャッシュ・フロー計算書」上の表示」として3つの方法が記載されています。

① 課税対象取引に係るキャッシュ・フローを消費税等込みの金額で表示する方法
② 課税対象取引に係るキャッシュ・フローを消費税等抜きの金額で表示する方法
③ 消費税等抜きの資産・負債の増加額若しくは減少額に、又は収益若しくは費用の額に、これらに関連する消費税込みの債権・債務の期中増減額を調整して、各表示区分の主要な取引ごとのキャッシュ・フローを表示する方法

 このうち、実務で多く用いられているのは③の方法ではないかと思います。
 
 なお、消費税等の取扱いについては、
「消費税等の申告による納付又は還付に係るキャッシュ・フローは、課税取引に関連付けて区分することが実務的に困難なため、「法人税等の支払額」と同様に「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に消費税等支払額(還付額)又は未払(未収)消費税等の増減額として記載する。」
 とされています。
 実務では間接法の採用が多いので、間接法を前提とすると、「営業活動によるキャッシュ・フロー」に「未払消費税等の増減額」または「未収還付消費税等の増減額」といった科目で表示されます。

3.投資活動によるキャッシュ・フローにおける消費税等の取扱い

(1)「投資」と「財務」は収入・支出ベースで記載

それでは、機械設備の購入などを行ったとき、投資活動によるキャッシュ・フローでは税抜金額で表示するのか、それとも税込金額で表示するのか、さてどちらでしょうか?
 
 以下、間接法を前提として記載しますが、間接法で作成するキャッシュ・フロー計算書においても、直接法と異なるのは「営業活動によるキャッシュ・フロー」のみであって、「投資活動によるキャッシュ・フロー」と「財務活動によるキャッシュ・フロー」の記載は直接法と同じです。すなわち、機械設備の購入であれば、その機械設備の購入に伴って支払った支出金額が「投資活動によるキャッシュ・フロー」に記載されます。
 すなわち、収入・支出ベースで記載することになります。

(2)機械設備の購入の仕訳

一例として機械設備の購入を取り上げます。
 例えば、機械設備を購入したときの仕訳は以下のとおりです。

【設例】
 R✕2年3月に機械設備を648千円(税込)で購入した。税率は8%とする。
 会計処理は税抜方式とする。
 決算期は3月とする。なお、機械の稼働月は4月であるため、減価償却は行わないものとする。

【仕訳】(単位:千円)
(借方)機械設備   600 (貸方)現金預金 648
    仮払消費税等 48

 簿記3級レベルの知識があれば、すぐにできる仕訳ではないかと思います。
 

(3)上記2③の方法の場合どうなるのか

次に、消費税等の取扱いについて記載します。
 上記2ではキャッシュ・フロー計算書における消費税等の取扱いについて、①~③の方法を記載しましたが、実務上多く用いられていると思われる「③消費税等抜きの資産・負債の増加額若しくは減少額に、又は収益若しくは費用の額に、これらに関連する消費税込みの債権・債務の期中増減額を調整して、各表示区分の主要な取引ごとのキャッシュ・フローを表示する方法」を前提に記載します。

 この場合、上記(2)の機械の稼働は購入にかかるキャッシュ・フローは600千円なのか、それとも648千円なのか、どちらになるのでしょうか。
 間接法であっても、投資活動によるキャッシュ・フローは収入・支出ベースで記載するので、一見、現金預金の支払額648千円のような感じもします。

 ちなみに、営業キャッシュ・フローの計算において、売上債権や仕入債務の増減額は税込金額を使用しています(上記2③参照)。

 そこで、以下、極端に簡単な設例を記載します。

【設例】
①決算期は3月とする。
②R✕1年度期首時点では、現金預金1,000千円、負債0円、純資産1,000千円であった。
③R✕2年3月に機械設備を648千円(税込)で購入した。税率は8%とする。なお、機械の稼働月は4月であるため、減価償却は行わないものとする。(上記3(2)の設例と同じ)
④税率は8%とする。
⑤会計処理は税抜方式とする。
⑥その他の取引はなかったものとする。

 その他の取引はなかったものとしますので、収益、費用は0となり、当期純利益も0とします。
 機械の購入の会計処理は上記3(2)の通りです。
 その結果、期末の貸借対照表は以下の構成になります。

 資産:現金預金352千円、未収還付消費税等48、機械設備600 資産合計1,000
 負債:0円
 純資産:1,000千円
 
 ここで、間接法でキャッシュ・フロー計算書を作成すると以下のようになります。(単位:千円)

【営業活動によるキャッシュ・フロー】
当期純利益0
未収還付消費税等の増減額△48
営業活動によるキャッシュ・フロー△48
【投資活動によるキャッシュ・フロー】
有形固定資産の購入による支出?
投資活動によるキャッシュ・フロー?
現金及び現金同等物の増減額△648
現金及び現金同等物の期首残高1,000
現金及び現金同等物の期末残高352


 ?の部分には、600か648のどちらかが入ることになりますが、逆算していただければおわかりのように?には600が入ります。
 なぜかというと、消費税等の増減は、全額が営業キャッシュ・フローにおいて処理されているからです(上記2参照「「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に消費税等支払額(還付額)又は未払(未収)消費税等の増減額として記載する。」)
 そのため、投資活動によるキャッシュ・フローは税抜金額となるわけです。
 従って、税抜方式の場合、投資活動によるキャッシュ・フローも税抜の金額が記載されることがわかりました。

4.まとめ

以上のように、間接法で税抜方式の場合、投資活動によるキャッシュ・フローで消費税法の課税仕入、課税売上に該当する取引は税抜処理で処理することになります。

 このように見てみると、特に難しくないように思えるのですが、債権債務は税込金額で増減額を算出していること、投資活動によるキャッシュ・フローは収入・支出ベースで記載することを思い浮かべると、結構迷う方はおられます。

 もっとも、キャッシュ・フロー計算書は精算表で作成されている会社が多いと思います。精算表では、貸借対照表に記載される有形固定資産の金額も税抜で記載されますし、増減の金額も税抜で記載された総勘定元帳、あるいは固定資産台帳の増加額、減少額を記載しますので、特に考えなくとも機械的に作成できます。

 精算表はかなり簡単にキャッシュ・フロー計算書を作成できるため、実務上、便利ですが、時々、キャッシュ・フロー計算書の構造も考えてみると意外な発見があり面白くなるかもしれません。

2019年4月28日日曜日

連結キャッシュ・フロー計算書~原則法と簡便法

1.連結キャッシュ・フロー計算書の作成方法
 連結キャッシュ・フロー計算書の作成方法には原則法と簡便法があります。
 原則法とは、親会社及び連結子会社が作成した個別キャッシュ・フロー計算書を単純合算し、相殺消去や科目の振替といった連結修正を行って、連結キャッシュ・フロー計算書を作成する方法です。
 一方、簡便法とは、連結損益計算書並びに連結貸借対照表の期首残高と期末残高の増減額の分析及びその他の情報から作成する方法です(日本公認会計士協会・連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針(以下「実務指針」)47項)。

2.「作成基準」と「実務指針」
 現行制度において規定されている会計基準は、旧大蔵省時代の企業会計審議会が策定した「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」(以下「作成基準」)です。
 実務指針47項にも記載がありますが、作成基準では第二の三で「連結キャッシュ・フロー計算書の作成に当たっては、連結会社相互間のキャッシュ・フローは相殺消去しなければならない。」と規定されています。この規定があるため、制度上は、原則法という言葉は使用していないものの、各連結会社の「キャッシュ・フロー計算書」を連結する方法(原則法)を原則としていると考えられています。
 しかしながら、実務指針では簡便法も認められるとしています。そのため、連結キャッシュ・フロー計算書の作成実務においては、原則法と簡便法の2つが認められているというわけです。
 整理すると、以下の関係になります。

・作成基準(企業会計審議会)  →原則法
・実務指針(日本公認会計士協会)→原則法の他、簡便法も認められる

 なお、多くの会計基準や実務指針は、企業会計基準委員会(ASBJ)に移り、企業会計基準や企業会計基準適用指針となったのですが、連結キャッシュ・フロー計算書については、会計基準や実務指針が、まだASBJに移っていない状態です。
 
3.「簡便法」が原則と思っている人が多い?
 以上のように、連結キャッシュ・フロー計算書の作成方法には原則法と簡便法があるのですが、結構、「簡便法」が原則的な方法と思われている方が多くいらっしゃいます。
 ときどき、公認会計士の中にもこのような思い違いをしている人がいます。
 しかしながら、あくまで、各連結会社が作成した個別キャッシュ・フロー計算書を連結する方法が原則です。

【図1】(C/S…Cash Flow Statement)


4.実務上は簡便法
 とはいえ、会計実務では原則法よりも簡便法が使用されることが圧倒的に多いです。
 理由は、簡便法のほうが作成しやすいですし、作成時間も原則法よりも短くてすむからです。
 原則法だと、まず、すべての連結会社が個別キャッシュ・フロー計算書を作成しなければなりません。親会社では当然、個別キャッシュ・フロー計算書を作成しますが、連結子会社のすべてが個別キャッシュ・フロー計算書を作成するとなると、結構面倒です。
 有価証券報告書の作成義務がある会社であれば、個別キャッシュ・フロー計算書を作成しますが、それ以外の会社になると、個別キャッシュ・フロー計算書の作成義務はありません。そのため、個別キャッシュ・フロー計算書の作成義務がない会社でもキャッシュ・フロー計算書を作成するとなると、時間と手間がかかりますし、精度も必ずしも高くはないかもしれません。会社によってはキャッシュ・フロー計算書の作成能力が乏しい会社もあります。
 このような理由から、まず、連結会社が個別キャッシュ・フロー計算書を作成するのに時間と手間がかかってしまいます。
 そして、次の段階では、個別キャッシュ・フロー計算書を単純合算した後、相殺消去や科目振替といった修正仕訳を反映しなければなりません。これは直接法であっても間接法であっても同じです。従って、ここでも時間と手間がかかります。
 しかしながら、簡便法であれば、すでに作成した連結損益計算書、連結貸借対照表、連結株主資本等変動計算書を使って作成できますので、原則法と比較して時間と手間は大幅に削減できます。
 このような理由から、実務上は原則法よりも簡便法を適用する会社の方が多いというわけです。
 簡便法しか知らない、という方も多いかと思いますが、実は簡便法は容認規定であることを知っておく必要があります。

2019年3月31日日曜日

ドラッグストア~もうすぐ業界再編?

1.最近のドラッグストアの経営成績
 平成31年3月19日の日本経済新聞に「ドラッグストア、消耗戦に 売上高増も利益減 
人件費増、爆買い鈍化が重荷」(会員専用)という見出しの記事が掲載されていました。
 会員専用の記事なので、内容の詳細は記載できないのですが、記事によると、ドラッグストアは店舗数拡大などにより売上は増加しているものの、マツモトキヨシホールディングス(以下HD)、サンドラッグ、ココカラファイン、スギHD、ウエルシアHDの大手5社のうち、18年度第3四半期にマツモトキヨシHDを除く4社が「営業減益」となった、ということです。

 ここからは私の補足ですが、少し記事の見出しや説明に「?」と思う点があります。
 見出しも含めて、記事や掲載されているグラフは、あたかも営業利益の金額が減少しているような印象をもたらす書き方なのですが、読んでみると、どうも営業利益率の減少のことを言っているようです。ちなみに、営業利益率とは売上高に対する営業利益の割合のことで営業利益÷売上高で算出されます。
 例として、ウエルシアの四半期報告書をみると、第2四半期、第3四半期ともに前期と比較すると、売上高、営業利益ともに金額は増加しています。しかしながら、営業利益率は前期と比較すると下落しています。(第二四半期は4.2%から3.9%、第3四半期は3.8%から3.4%)。

2.営業利益率下落の理由
 ということで、今回の論点は大手ドラッグストアの営業利益率の下落ということで進めていきますが、その構造は簡単にいうと、売上高は増加しているものの、特に薬剤師の数が不足しているため薬剤師の給料を含めた人件費が増加し、売上高増加の割には営業利益は伸びていない、というものです。

 売上高が増加しているのは、店舗数が増加してるためですが、この店舗数が増加している理由の一つは市場シェア拡大のためと考えられます。
 ある地域に大手が複数店を出店すると、多くの場合、その近隣には他のドラッグストアは出店しにくくなります。このようにして、その地域の住民がそのドラッグストアに流れるようにして、主要な地域を押さえていくというわけです。
 しかし、そうなると、薬剤師の数も必要となり、人件費が増加します。
 それだけではなく、営業時間の拡大も人件費増加の原因となっています。例えば、ウエルシアの場合、24時間営業を始めましたが、営業時間が長くなれば、店舗スタッフへの夜勤手当が発生しますし、アルバイトの時給単価も夜間の場合は昼間よりも高くなります。夜勤勤務の人手の確保も必要です。
 近年、ドラッグストアの営業時間は長くなる傾向にありますが、その結果、それに伴う給与手当も増加するので、売上高も増加するものの、一方で人件費も増加するため営業利益の増加率が売上高の増加率よりも低くなる傾向になります。

3.業界再編?
 他にもドラッグストアの経営成績が低下するリスク要因はあるのですが、これらを総合して、日経の記事では、成長を続けてきたドラッグストアが試練の時を迎えているという内容を記載しています。
 業界再編が終了した感じがするドラッグストアですが、今後の先行きが不透明となると、再度業界再編が起こる可能性があります。
 実は、株式会社日本M&Aセンターは、業界再編には法則があるとして、その一つに「50:70の法則」を掲げています。
 これは、上位10社のシェアが約50%に達すると、大手が中小を買収するなどの業界再編が起こり、さらに上位10社のシェアが70%に達すると、上位10社の統合が始まるというものです。そして、最終的には大手4社に集約されて、業界再編が終了するということです(「業界再編時代のM&A戦略」渡部恒郎著(幻冬舎)P37~39)。
 これは、理論や科学に基づくものではなく、経験則に基づく指標であり、シェアをどの指標で見るのかで変わってくるとは思いますが、上記の「業界再編時代のM&A戦略」(2015年9月に発刊された本ですが)は、ドラッグストアについても「ドラッグストア業界の再編は最終局面へ向かっている」と記載しています。
 現状は、まだ大手が中小ドラッグストアを吸収合併している状況が続いています。例えば、2018年1月のサンケイビズでは「ドラッグストア、首位めぐりM&A火花 成長頭打ち…安値攻勢強化」というタイトルで、大手ドラッグストアのM&Aを紹介しています。
 この50:70の法則に従えば、市場シェアを売上高で見た場合、ウエルシア、ツルハ、マツモトキヨシといった上位10社の売上高合計が業界売上高の約70%に達すると、大手同士のM&Aが起こるということになります。実際は、どのタイミングで大手同士が動くのかは予測できませんが、営業利益率が下落傾向にある状況を鑑みると、もうそろそろ業界再編が起こってもおかしくはないのかもしれません。
 一見、好調に見えるドラッグストアですが、各社、気を抜けない状況が続いているようです。 

2019年3月3日日曜日

キャッシュレスが及ぼす経営への効果

1.ロイヤルホールディングスによる完全キャッシュレス店
 TBS系列の放送局では毎週日曜日午前7時30分から「がっちりマンデー」という番組が放送されています。平成31年2月24日(日)の放送では「視察が殺到する会社!」というタイトルで、多数の同業他社などが視察に訪れる会社を特集していました。
 その中で、東京の馬喰町(ばくろちょう)にある「ギャザリングテーブルパントリー」というお店が紹介されていました。恥ずかしなら、私も今になって初めて知ったのですが、このお店は、ロイヤルホールディングスが行った実験店舗で、完全キャッシュレス化を行ったお店ということです。
 さらに、この馬喰町のお店は完全キャッシュレスのためレジや金庫がないことに加え、ガス台もないお店であるため、どのような運営を行っているのかということで、同業他社が視察に訪れているのだそうです。
 余談ですが、私が知っている馬喰町は繊維問屋の町で、夜になると人通りが全くなくなり、車しか通っていない寂しい町という印象がありますが、最近はお洒落な店も開店しているようで昔とは変わってきているようです。

2.キャッシュレスが及ぼす効果
(1)レジ締めの時間が大幅に短縮
 番組では、キャッシュレスがどのような効果をもたらしたのかという点を紹介していましたが、番組を見て「なるほど」と思いました。
 キャッシュレス化となると、普通は、(イ)客が現金を支払わなくてよいので、多額の現金を持ち歩かなくてもよい、(ロ)小銭が増えない、(ハ)財布からお金を出す手間が省けるので支払いが早くなる、といった「客視点」のメリットしか思い浮かばないのではないかと思います。
 しかしながら、このギャザリングテーブルパントリーでは、完全キャッシュレス化により、店長はじめ全従業員の労働時間が大幅に減少したそうです。
 なぜかというと、現金がまったくないため、いわゆる「レジ締め」が一瞬で終わるからです。現金を取り扱う店舗だと、閉店後にレジデータを集計し、レジ内の現金を数えて、レジデータに基いた残額と一致しているかどうか、といった作業を行いますが、このレジ締めには時間がかかります。このとき、現金残高がデータと一致していないと、その原因を探らないといけなくなり、さらに時間がかかります。
 しかし、完全キャッシュレスの店舗では、この作業が不要となるため、レジ締めにかかる時間がほとんどなくなりました。そのため、閉店後の労働時間の大幅な削減となったということです。
 ちなみに、学生時代、あるコンビニエンスストアでアルバイトをしていた友人によると、そのコンビニエンスストアでは、実際在高が過大の場合、その過大分は店舗のものとなるのに対して、過少の場合はレジを担当していた店員が補填しないといけなかったそうです。
 
(2)釣り銭の準備、現金の持ち運び作業の消滅
 また、完全キャッシュレス化となれば、当然のことながら釣り銭はいりません。従って、金融機関から釣り銭用の現金を持ってくる必要はありません。
 さらに、現金の場合、売上金は金融機関に入金するために金融機関まで持ち運びしなければなりませんが、この作業も不要になります。
 このような作業がなくなることで労働時間の短縮につながります。

(3)スペースの確保
 番組では完全キャッシュレス化により、レジや金庫を置く必要がなくなったので、スペースの確保につながった、と紹介していました。
 確かに、レジのスペースは結構取りますし、金庫も数百キロの大金庫を置くのが通常なので、こちらもスペースをとります。
 レジのスペースがなくなれば、その分、テーブルと椅子を増加できますので稼働率が上がれば売上の増加につながります。
 なお、支払いは、電子マネーやクレジットカードの場合、店員がテーブルまでやって来てそこで支払いを行うようです。

(4)注文はセルフサービス
 ギャザリングテーブルパントリーでは、客からのオーダーも各テーブルに置いてあるタブレットを使用してセルフサービスで注文します。
 ちなみに、このタブレットを使ったセルフオーダー方式は、ギャザリングテーブルパントリーだけではなく、例えば大戸屋でも導入されています。
 この方式であれば、店員がテーブルに行って注文を聞いて厨房に伝えるという作業がなくなります。このような作業は一日何回も行うので、これがなくなれば、他の作業に時間を回せますし、人手不足の中、少ない人数でも店をまわすことが可能となります。
 さらに、平成30年7月にはLINE Payを使った「セルフテーブル決済」を導入したということです。これは「注文用タブレット端末において、お支払い方法にLINE Payを選択すれば、お客様ご自身のスマートフォンひとつでスムーズに支払いを完了することができる」(ロイヤルホールディングスのHPより)という仕組みということです。
 上記のように、電子マネーやクレジットカードの場合は、店員がテーブルまで行く必要がありますが、セルフテーブル決済の場合は、それも不要ということになります。
 なお、最近では、平成31年2月1日にQRコードで決済できる「Alipay」と「WeChat Pay」が、12日には 「PayPay」が導入されました。これらもセルフテーブル決済に使用できます。

3.まとめ
 キャッシュレス化は、顧客にとってのメリットもありますが、労働者にとって労働時間の削減といった大きなメリットがあることがわかりました。また、いろいろとウェブサイトを見てみると、労働者にとっては労働時間の削減のみならず、現金を扱うことへのプレッシャーからの開放といった精神面の安定といったメリットもあるということです。
 また、人手不足が叫ばれる中、これまでよりも少ない人員で運営できるというメリットもあります。
 こういったメリットは、現在問題となっている「働き方改革」への一つの対応策となります。
 このギャザリングテーブルパントリーは実験店ということですが、こういった効果が明らかになったため、多数の同業他社が見学に来て、その効果を自社にももたらそうと考えているのだと思います。
 キャッシュレスの促進化は最近始まったばかりですが、外食産業を始め、小売店にとっては、働き方改革のための大きなツールとなるため、働き方改革とリンクして、今後短期間で一気に普及するものと予測します。

2018年12月9日日曜日

負ののれんとキャッシュ・フロー

1.はじめに
 ある上場企業で負ののれんを多額に計上していたことがマスコミに報じられていましたが、今回は負ののれんとキャッシュ・フローの関係についてお話したいと思います。
 なお、本稿は私見であることにご留意ください。

2.負ののれんとは
 通常、企業を子会社にするとき、時価評価後の純資産を上回る価額でその企業の株式を取得するので、のれんが発生します。
 しかしながら、種々の理由により逆に下回る価額でその企業の株式を取得すると、貸方に差額が生じます。この差額を負ののれんと呼んでいます。
 以下、設例を記載します。債務超過までには至っていないものの、業績が悪化している会社を100%子会社にしたというケースを想定しています。

【設例】
・被買収会社の資産180、負債150、資本50、利益剰余金△20 
・子会社株式の取得価額0円(100%取得)
・資産の時価はないものとする。
・この子会社は非上場会社とする。

 連結財務諸表では、仕訳は以下のようになります。

(借方)資本金 50 (貸方)子会社株式   0
               利益剰余金 20
               負ののれん 30

 子会社株式を純資産の額に相当する30を超える価額で購入すればのれんが発生しますが、30を下回る金額で購入したので、貸方に差額が発生したというわけです。
 この負ののれんは発生した事業年度の利益として計上します(企業結合会計基準33項)。
 この負ののれんは、全額が利益として計上されます。通常ののれんは「資産に計上し、20 年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する。」(企業結合会計基準32項)とされているため、毎期一定額が費用計上されるのれんとは対照的です。

 しかしながら、このような負ののれんが発生することはイレギュラーなケースといえます。場合によっては、その事業年度の利益を増加させたいために、取得価額を意図的に低くして、負ののれんを発生させるという会計操作が行われないとも限りません。
 そのため、制度会計では負ののれんの計上については、以下の手続きを行うことを要求しています(企業結合会計基準33項)。

 負ののれんが生じると見込まれる場合には、次の処理を行う。(中略) 
(1) 取得企業は、すべての識別可能資産及び負債(第 30 項の負債を含む。)が把握されているか、また、それらに対する取得原価の配分が適切に行われているかどうかを見直す。
(2) (1)の見直しを行っても、なお取得原価が受け入れた資産及び引き受けた負債に配分さ
れた純額を下回り、負ののれんが生じる場合には、当該負ののれんが生じた事業年度の利
益として処理する。 

 なお、監査を行う側としては、会社が上記(1)の手続きを適切に行っているかどうかの確認、及びその妥当性について検証する必要があります。

3.キャッシュ・フローとの関係
(1)負ののれんとキャッシュ・フローの関係
 しかしながら、負ののれんを計上して利益が増大したところで、負ののれんからはキャッシュの流入は行われていません。
 以前、「キャッシュ・フロー計算書作成の必要性(1)」で記載したように、利益が黒字だからといって会社が必ずしも資金繰りが順調とは限りません。いわゆる「黒字倒産」というケースもあります。まさに「勘定あって銭足らず」という状態です。
 従って、利益がプラスの場合でも、必ずキャッシュ・フロー計算書を確認し、特に営業キャッシュ・フローがどのような状態になっているのかを確認する必要があります。
 
(2)のれん償却費とキャッシュ・フローの関係
 逆に、営業損益がマイナスであっても、営業キャッシュ・フローはプラスというケースもあります。
 例えば、のれんの償却額が非常に大きい場合、それが原因で営業損失が計上されてしまうこともあります。このようなケースでキャッシュ・フロー計算書を作成してみると、実は、営業キャッシュ・フローはプラスというケースもあります。
 のれんの償却費はキャッシュアウトを伴わないので、営業損失が計上されていても、会社に営業損失に相当する資金流出が必ずしも発生しているとは言えないということです。 
 このような場合は、損益計算書では営業損失が計上されていて、一見、よくなさそうに見えるものの、資金繰りは順調というケースがあります。
 従って、同じく、損益計算書だけでなく、キャッシュ・フロー計算書もあわせて見ることが重要です。

2018年9月1日土曜日

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)と資金繰り(1)

1.概要
 今回は、近年、経営指標としても注目されているキャッシュ・コンバージョン・サイクル(Cash Conversion Cycle 以下「CCC」)について記載します。
 CCCとは、簡単に言うと資金を投下してから資金が回収されるまでの期間をいいます。このCCCの数値が小さければ、資金効率がよいということになります。
 
2.CCCの仕組み
(1)計算式と図
 計算式は以下のとおりです。

 CCC=売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-仕入債務回転期間

 計算式だけだとわかりにくいので、図で示してみます。

【図1】

 この場合の仕入は掛仕入、売上は掛売上を前提としています。
 上図から分かる通り、CCCは掛仕入の代金を支払ってから売掛金の回収が完了するまでの期間です。資金の投下のために出ていったお金が、成果として入ってくるまでの期間ともいえるでしょう。
 これからも分かる通り、この期間が短ければ短いほどよいことになります。逆に、長いということは、お金が入ってくるまでの期間が長いということですから、資金繰りが苦しくなります。
 そのため、CCCが長くならないようにするとともに、CCCを短くしていくことが資金繰りのためには重要です。

(2)資金繰りの重要性
 以前、「事業計画と資金繰表~継続企業の前提(2)」では「企業の継続性が成り立たなくなるとは、経営が破綻するということですが、より具体的に言うと、資金繰りがショートするということです。」と述べました。企業の存続は資金繰りにかかっています。そのため、資金繰りの管理は非常に重要です。
 しかしながら、現実には資金繰りの管理がうまく行かず、破綻するケースも見られます。特に、損益計算上では黒字なのに、資金繰りがショートする「黒字倒産」のケースも見受けられます。これは「キャッシュ・フロー計算書作成の必要性(1)」と「キャッシュ・フロー計算書作成の必要性(2)」で述べたように、発生主義会計のもとでは「収益・費用」と「収入・支出」にタイミングのズレがあることから、発生主義会計の損益計算書のみを見ていると、キャッシュ・フローが盲点になってしまうからです。
 従って、キャッシュ・フロー計算書を作成し、キャッシュ・フローを管理する必要があるというわけです。
 ただし、キャッシュ・フロー計算書は結果を示したものに過ぎず、ここからキャッシュ・フローを改善するにはどのような手段をとればよいのかということになると、キャッシュ・フロー計算書のみでは苦しいものがあります。
 しかしながら、今回のCCCは資金繰りの指標を示すものなので、CCCを計算してCCCを短くする方策をとり、資金繰りを管理することで、資金繰り及びキャッシュ・フローの改善につながります。

3.公認会計士試験より
 最後に、平成30年度の公認会計士試験にもCCCの問題が出ていましたので紹介します。
 ちなみに、なぜ知っているのかというと、身近に受験生がいるので公認会計士試験については気になっているためです。なお、試験問題は金融庁の公認会計士・監査審査会のこちらのページで見ることができます。
 CCCが出ていたのは会計学(午前)の問題です。(会計学(午前)は管理会計論です。)
 そこで、会計学(午前)の第2問問題1の一部を引用してみます。ぼやけていますがご容赦ください。
 
(平成30年公認会計士試験論文式試験会計学(午前)の問題より)

 問2では、20☓1年と20☓2年のCCCが問われています。
 「ク」の欄は簡単に求めることができます。
  CCC=売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-仕入債務回転期間 ですから、

 62+58-51=69日 となります。
 
 なお、この会計学(午前)第2問問題1は、見たところとても時間がかかるのでまともに手をつけてはいけない問題です。その中で「ク」だけは単独でできる問題でした。
 
 ちなみに、以前にもCCCの問題は管理会計論で問われています。

4.最後に
 CCCは以前より管理会計の世界で紹介されていたものですが、近年CCCを重視する企業も増えています。
 中小企業などではキャッシュ・フロー計算書やCCCを取り入れられていないところが多く見られますが、資金繰りの管理・改善のためにぜひ、導入していただきたいと思います。


2018年7月7日土曜日

キャッシュ・フロー計算書作成の必要性(2)

1.「収入・支出」と「収益・費用」の違い
 キャッシュ・フロー計算を行うにあたっては、「収入・支出」と「収益・費用」の違いを知っておくことが重要です。
 一見すると「収入・支出」と「収益・費用」は何となく同じような感じがしますが、これらは異なります。例えば、前受金のように、収入(キャッシュイン・フロー)があったからといって収益になるとは限りませんし、有形固定資産の購入のように支出(キャッシュアウト・フロー)があったからといって費用になるとは限りません。
 このように、「収入・支出」の認識と「収益・費用」の認識にはタイミングのズレが生じます。キャッシュ・フロー計算書はこのタイミングのズレを調整し、「収益・費用」を「収入・支出」の関係にする計算書です(間接法の場合)。

2.タイミングのズレが生じる理由
 「収入・支出」の認識と「収益・費用」の認識にタイミングのズレが生じるのは、現行の会計が発生主義会計で行われているためです。
 例えば、100万円の売上があり、それを掛売上とした場合、

(借方)売掛金 100 (貸方)売上 100

 という仕訳をおこします(単位は万円)。
 これは発生主義会計による仕訳です。これが現金主義会計であれば、売上時点で100万円の収入はないので、売上の認識は行いません。

 もう一つ例を挙げると、100万円の現金払いで機械を購入した場合、

(借方)機械 100 (貸方)現金 100

 という仕訳をおこします(単位は万円)。
 現金主義会計であれば、100万円の支出があったため、機械の購入時点で100万円の費用を計上することになります。
 しかしながら、発生主義会計のもとでは、購入時点で全額を費用認識は行いません。費用は減価償却費という形で、耐用年数期間に渡って費用計上します。

 このように、現行の会計は発生主義で行われているため、「収入・支出」の認識と「収益・費用」の認識にタイミングのズレが生じます。
 ただし、これはあくまでタイミングのズレであって、収益は必ず収入に結びつきますし、費用も必ず支出に結びつきます。
 実は、企業会計原則では、第二 一Aで「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。」と定めています。
 発生主義会計を行っていると、「収入・支出」の概念を忘れがちですが、「収益・費用」は「収入・支出」と結びついているということを知っておく必要があります。

3.貸借対照表と損益計算書の関係
 我が国の会計基準は、利益計算において長らく収益費用アプローチと呼ばれる方法をとってきました。その下では、貸借対照表は損益計算の連結環と呼ばれます。
 詳細は割愛しますが、この場合、貸借対照表は「収入・支出」と「収益・費用」のズレをおさめているものというイメージでよいと思います。
 例えば、売掛金は収益として認識しているものの、収入はまだありませんので「収益・未収入」となります。機械などの有形固定資産は支出したものの費用にはなっていませんので「支出・未費用」です。このあたりはシュマーレンバッハの貸借対照表論が参考になります。

4.間接法の考え方
 前回、間接法に触れましたが、間接法は当期純利益に貸借対照表項目や非資金損益などを加算減算して営業活動によるキャッシュ・フローを算定する方法です。
 間接法では、当期純利益という損益計算書項目に、売掛金の増減額や買掛金の増減額の貸借対照表項目が加算減算されるので、初めての人だと「何で当期純利益に貸借対照表科目を足したり引いたりするのか」「売掛金が増加したとき何で当期純利益から減算するのか」と思われるかもしれません。
 しかしながら、これまでみてきたように、貸借対照表は「収入・支出」と「収益・費用」のズレをおさめているものと見ることができますので、貸借対照表科目の増減を当期純利益に加算減算することで、当期純利益から営業活動によるキャッシュ・フローを算出することができます。
 例えば、売掛金が期首から期末にかけて20万円増加したとします。売掛金は「収益・未収入項目」ですから、損益計算では収益として認識しているものの、キャッシュ・フロー計算では未収入なので、収益と収入に20万円のズレが生じているということを表しています。この場合だと、収益が収入よりも20万円多いので、収益の額を収入の額にするには、収益から20万円減算することが必要です。 
 従って、間接法では、売掛金が増加した場合、当期純利益から減算するというわけです。
 以下に、利益計算とキャッシュ・フロー計算の関係を図表で記載しました。
 参考としていただけますと幸いです。



 

2018年6月30日土曜日

キャッシュ・フロー計算書作成の必要性(1)

1.はじめに
 今回はキャッシュ・フロー計算書について記載します。
 キャッシュ・フロー計算書の作成方法については、多くのサイトで紹介されていますので、当ブログでは作成方法について多くは触れず、主に中小企業向けに、キャッシュ・フロー計算書の有用性を記載していきたいと思います。
 なお、本稿は私見であることにご留意ください。

2.キャッシュ・フロー計算の目的
 キャッシュ・フロー計算書は、1会計期間のキャッシュ・インフローとキャッシュ・アウトフローを示すので、資金の流入と流出を知ることができます。
 損益計算書の収益と費用は発生主義で計上されているので、収益と費用は必ずしもその期間の資金の流入と流出を表してはいません。そのため、損益計算書での損益計算のみを行っていると、資金繰りの悪化に気づかず、黒字にもかかわらず、突然資金ショートを起こすリスクもあります。これを「黒字倒産」といいます。
 逆に、損益計算書では赤字であっても、キャッシュ・フローはプラスというケースもあります。
 上場企業など金融商品取引法監査の適用を受ける会社では、キャッシュ・フロー計算書の作成・開示が義務付けられていますが、そうではない会社、特にいわゆる中小企業ではキャッシュ・フロー計算書を作成している会社は多くありません。
 しかしながら、キャッシュ・フロー計算書は、1会計期間の資金の流入と流出を知ることができるため、非常に有用です。従って、ぜひ作成されることをおすすめします。
 また、作成されるときは、月次決算とあわせて、キャッシュ・フロー計算書も月次で作成すると有用です。

3.作成のためのツール
 キャッシュ・フロー計算書には、営業活動によるキャッシュ・フローの示し方として直接法と間接法がありますが、実務上、間接法を採用している会社のほうが圧倒的に多いです。理由は、間接法のほうが作成しやすいからです。
 そこで、間接法で作成することを前提に、作成のためのツールを記載します。キャッシュ・フロー計算書の作成のツールとしては、実務上は精算表を使用して作成することが多いです。
 精算表では、前期と当期の貸借対照表の数値の差額を、キャッシュ・フロー計算書に落とし込むような形で数値を入力していきます。この精算表では、タテの列とヨコの列に検算式が組み込まれていますが、どの列もゼロになるように入力する必要があります。入力誤りがあれば、ゼロになりませんので、誤った場合はすぐにわかることになります。
 ただし、精算表は、自分で一から作成するのは非常に難しいので、Web上で公開されているテンプレートを利用するほうがよいです。「キャッシュ・フロー計算書 精算表」と検索すると、いろいろなサイトが出てきますので、使いやすいものを選ぶとよいでしょう。

4.精算表の作成方法
 精算表は便利なツールです。しかしながら、最初は精算表を作成するのにも時間がかかると思います。というのは、科目設定の仕方や入力の仕方については、初めての人だとわかりにくいからです。
 そこで、最初は、顧問の公認会計士や税理士など、精算表を使ったキャッシュ・フロー計算書の作り方を知っている会計専門家に作成してもらうのがよいと思います。一回設定をしてもらえば、後は貸借対照表の数値を入力すれば、概ね完成に近づきます。
 そして、最初の数回は会計専門家が作成しますが、その後は会社の経理部で自製し、チェックをしてもらうという流れになるとよいと思います。

5.精算表の見本
 精算表については、日本公認会計士協会の会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」にも記載されています。
 日本公認会計士協会のHPで見ることができるのですが、探しにくいと思いますので、順序を記載しておきます。
 ホーム→専門情報→実務指針等公表物一覧→報告書 と進んでください。(「会計制度委員会報告」なので「報告書」のカテゴリーとなります。)
 この中に、【会計制度委員会報告】の欄がありますので、委員会報告の8号の「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」をクリックすればPDFファイルがダウンロードされます。
 この中の設例に精算表も紹介されています。
 以下は、設例に記載されている精算表の一部を抜粋したものです。文字がぼやけていますがご了承ください。