2019年3月11日月曜日

アメリカのキャッシュレス~クレジットカード社会

1.はじめに
 私は、前職では日本企業の米国子会社の監査のため、毎年アメリカ合衆国に行っていました。春と秋、それと年末の実査立会の年3回が基本でしたが、年によってはもう1回加わり、年4回という時もありました。
 最後に行ったのが平成23年でしたので、もう8年前になります。昨年、日本公認会計士協会京滋会の研修旅行でサンフランシスコなどを訪れましたが、これは7年ぶりのアメリカ訪問となりました。
 仕事で行く場合は、何度もアメリカに行くことになりますし、食事で入る店も一般庶民が利用する店に入ることが多いため、1回きりの旅行とは異なり、結構、市民の生活を体感できたのではないかと思います。
 今回は、アメリカに行っていたときに感じた、アメリカのクレジットカード払いについて記載したいと思います。

2.ひと昔前のアメリカ
 上述のように、最後に仕事でアメリカにいったのが8年前なので、アメリカに行っていたのは今から8~12年前の頃となります。
 アメリカはクレジット社会とは聞いていましたが、確かにこの時代でも、ほとんどの店でクレジットカードを使用することができました。
 どの店でもクレジットカードを使用できるのはとても便利です。メリットはいろいろとありますが、私の場合はアメリカの小銭がたまらないようにするために使用していました。
 ご存知の方も多いと思いますが、ドル紙幣は日本で日本円に換金できるのに対して、小銭は換金できません。そうなると、溜まったアメリカの小銭は日本で無用の長物と化してしまうのです。そのようなことを避けるため、私はアメリカではクレジットカードを使用していました。
 近年、日本でもキャッシュレス社会を目指して、いろいろな施策が講じられてきていますが、アメリカではひと昔前でも、すでにキャッシュレス社会が進んでいました。
 日本でもこのようになればよいのに、と思っていたのですが、最近の動きを見るにつれ「やっとか」という思いです。

3.アメリカでクレジットカードを使えた店など
 ここでは、当時からクレジットカードを使用できたアメリカの店などを紹介します。

(1)スターバックス
 当時のアメリカでも、スターバックスでクレジットカードを使用できました。
 調べると、最近、日本のスターバックスでもクレジットカードを使用できるようになったようです。
 昔、スターバックスはアメリカの会社なので「もしかしたら日本でも使用できるのでは」と思い、クレジットカード払いができるのかを聞いたことがありましたが、当時はプリペイドのスターバックスカードであれば現金以外の支払いができます、という説明でした。私の記憶では3年前ぐらいでもそのような説明だったと記憶しています。

(2)マクドナルド
 マクドナルドでもクレジットカードを使用できました。
 最近、日本のマクドナルドもクレジットカードを使用できるようになったようです。
 ちなみに、アメリカのマクドナルドは、セット購入すると、日本でいうドリンクバーがついてきて、ドリンクは何度でも何種類でも飲めるというシステムでした。

(3)サブウェイ
 サンドウィッチのサブウェイもクレジットカードを使用できました。
 日本ではなかなか人気が出ませんが、サブウェイは自分でいろいろな具材を自分でトッピングできるサンドウィッチ店です。
 余談ですが、あるフリーウェイ沿いのサブウェイで代金を支払おうとしたところ、"Show me ID!"(身分証明書を見せてください)と言われたことがあります。何で言われたのかは不明なのですが、カードを使用するときにこのようなこともありました。(アジア人は年齢より若く見られる傾向にはありますが・・・)

(4)空港の売店
 サンフランシスコ国際空港(SFO)など、いろいろな空港に行きましたが、どの空港の売店でもクレジットカードを使用できました。
 例えば、ペットボトルの水一本を購入する場合でもクレジットカードでOKです。
 日本でいうと、キオスクみたいな感じの店です。もちろん、お土産屋さんやDuty FreeでもクレジットカードはOKです。
 ちなみに、京都の竹田駅(近鉄と京都市営地下鉄の共同駅)のプラットフォームにあるキオスクで電子マネーを使用しようとしたら「現金しか使えません。」と言われました。あるコンビニチェーンの店だったので余計に「なぜ?」と思いました。

(5)券売機
 BART(Bay Area Rapid Transit:サンフランシスコの地下鉄)で、サンフランシスコ国際空港(SFO)からパウエルストリート(Powell St.)まで乗車したことがありましたが、きっぷを購入するための自動券売機でもクレジットカードを使用できました。
 なんだか古めかしい券売機だったので「こんなので大丈夫なのか」と不安に思ったことを記憶しています。
 このBARTの券売機でのきっぷの買い方ですが、日本とは異なり、一定額から引き算ボタンを押して減額して目的地までの金額を設定し、購入するという方法です。日本のように、いろいろな金額が選べるようにはなっていません。従って、とても使いにくいです。
 その点、日本は交通系ICカードと自動改札機が発達しているので、鉄道分野においては日本のほうが利便性とキャッシュレスがはるかに進んでいます。
 こういうのを体験するたびに、アメリカは発展しているのか発展していないのかよくわからない国だな、と思いました。

(6)自動販売機は?
 最後に、当時は自動販売機ではさすがにクレジットカード払いはできませんでしたが、最近はついに自動販売機でもクレジットカードを使用できるようになったようです。
 ちなみに、アメリカでよく見た自動販売機は、青い色のペプシの飲料販売機です。日本ではコカ・コーラの赤い色の自動販売機が圧倒的に多いですが、アメリカではペプシコーラの自動販売機しか見かけませんでした。
 また、アメリカは犯罪率が非常に高いため、自動販売機は屋外では見かけません。私が見たのはいずれも室内でした。クライアントの社内の休憩室やホテルのVending Machine コーナーといったところです。外に置くと自動販売機は破壊されて中の現金が盗まれてしまうからです。

4.まとめ
 日本は、キャッシュレスが遅れているというよりは、安全社会であったためその必要性が少なかったという事情があります。そのため日本ではキャッシュレスが普及していませんが、アメリカのように数百円といった少額であっても、カードなどでキャッシュレス決済できると、とても便利な社会になると思います。
 約10年経って、やっとキャッシュレスが普及してきたか、という思いですが、日本の場合は一度進むと進化するのは早いので、いろいろなサービスを期待したいところです。