公益法人や社会福祉法人においては、財務報告に係る内部統制が十分ではないところもあり、職員による横領などが発生することもあります。
内部統制には、整備(デザインと業務への適用)と運用(デザインどおりに適切に運用されているかなど)がありますが、整備のうちデザインが不十分であったり、そもそも内部統制そのものが存在しないというケースもあったりします。
内部統制の構築は何かと時間と手間がかかりますが、これにより例えば、職員や役員による横領などの不正を防止できる可能性が高まります。
以下、内部統制の不備の例をあげながら、その対処法を記載します。
1.小口現金の担当者と会計担当者が同じ人である
小口現金担当者と会計担当者が同じ人である場合、その人が小口現金を横領していてもなかなかその横領の事実が発覚しないという恐れがあります。
例えば、Aさんが小口現金から1,000円をふところに入れたとします。実際の小口現金残高は1,000円少なくなります。しかし、現金出納帳の金額は、このままだと実際残高よりも1,000円多くなります。そこで、Aさんは、例えば「雑費」として1,000円支出したということにして現金出納帳に記載します。そうすると、実際残高と帳簿残高が一致してしまいます。
このようになると、つじつまがあってしまうので、横領があっても発覚しなくなる可能性があります。
そのため、小口現金の担当者と会計担当者は必ず別の人にする必要があります。
2.小口現金の担当者と営業担当者や購買担当者などが同じ人である
この場合、例えば、営業担当者が契約書作成のために収入印紙が必要だ、として必要以上の収入印紙を購入し、必要額以外の印紙を金券ショップで換金するというケースが想定されます。
そのため、小口現金の担当者と現金を扱う担当者は別にする必要があります。
また、収入印紙、切手、回数券といった換金性があるものは、受払簿を作成し、毎月、棚卸を行う必要があります。
3.小口現金担当者が長期間同じ人である
小口現金担当者が長期間同じ人だと、不正がなかなか発覚しなかったり、発覚が遅くなったりする恐れがあります。そこで、現金を扱う担当者は定期的に人事異動を行い、長期間、同じ人に行わせないようにする必要があります。
もっとも、小規模なところでは人数の関係で、このような人事異動が困難なところもあるかと思います。その場合は、強制的に休暇をとらせて、その期間は別の人が業務を担当するという方法が考えられます。なお、これらの方法は金融機関でよく見られる方策です。
4.実査を毎日行っていない
小口現金は、毎日、実査を行う必要があります。意外にも公益法人や社会福祉法人では毎日の実査が行われていない法人が見受けられます。
また、実査を行うときは金種表を作成する必要があります。さらに、作成した金種表は上席の承認を受ける必要があります。
小口現金出納帳についても、実査の結果と帳簿残高の一致を確認し、上席が承認印を押印する必要があります。
実査を毎日行うことで、誤謬や不正が早く発見できるなどの効果があります。
なお、上席が抜き打ちで実際残高と帳簿残高を照合するという方法もあります。
以上、不備の例をあげましたが、これらはあくまで一部であり、他にも不備の例はあります。
次回は、預金に関する内部統制について記載します。
このようになると、つじつまがあってしまうので、横領があっても発覚しなくなる可能性があります。
そのため、小口現金の担当者と会計担当者は必ず別の人にする必要があります。
2.小口現金の担当者と営業担当者や購買担当者などが同じ人である
この場合、例えば、営業担当者が契約書作成のために収入印紙が必要だ、として必要以上の収入印紙を購入し、必要額以外の印紙を金券ショップで換金するというケースが想定されます。
そのため、小口現金の担当者と現金を扱う担当者は別にする必要があります。
また、収入印紙、切手、回数券といった換金性があるものは、受払簿を作成し、毎月、棚卸を行う必要があります。
3.小口現金担当者が長期間同じ人である
小口現金担当者が長期間同じ人だと、不正がなかなか発覚しなかったり、発覚が遅くなったりする恐れがあります。そこで、現金を扱う担当者は定期的に人事異動を行い、長期間、同じ人に行わせないようにする必要があります。
もっとも、小規模なところでは人数の関係で、このような人事異動が困難なところもあるかと思います。その場合は、強制的に休暇をとらせて、その期間は別の人が業務を担当するという方法が考えられます。なお、これらの方法は金融機関でよく見られる方策です。
4.実査を毎日行っていない
小口現金は、毎日、実査を行う必要があります。意外にも公益法人や社会福祉法人では毎日の実査が行われていない法人が見受けられます。
また、実査を行うときは金種表を作成する必要があります。さらに、作成した金種表は上席の承認を受ける必要があります。
小口現金出納帳についても、実査の結果と帳簿残高の一致を確認し、上席が承認印を押印する必要があります。
実査を毎日行うことで、誤謬や不正が早く発見できるなどの効果があります。
なお、上席が抜き打ちで実際残高と帳簿残高を照合するという方法もあります。
以上、不備の例をあげましたが、これらはあくまで一部であり、他にも不備の例はあります。
次回は、預金に関する内部統制について記載します。
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