2019年2月11日月曜日

公益法人インフォメーション~電子申請システムリニューアル

1.概要
 少し前になりますが、公益法人informationの電子申請システムが新しくなりました。
 以前のシステムは、何かと使いづらい面がありました。この点は、内閣府や行政庁も認識されていたようで、ある行政庁の説明会では「現状の公益法人インフォメーションは使いにくいので、新しいシステムに移行します。」という説明をしていたという話を公益法人関係者から聞いたことがあります。
 実際、私も、ある行政庁関係者とこんな会話がありました。

「今の公益法人インフォメーションはいかがですか?」
「う~ん・・・」
「ですよね・・・ いろいろと使いづらい点があり申し訳ございません。」

2.どのように使いづらかったのか
(1)保存が面倒
 では、どのように使いづらかったのかかというと、まず、とにかく注意しないと保存ができなかったという点です。
 実際に公益法人インフォメーションを使用された方はよくご記憶だと思いますが、まず各別紙、別表の作成を行ったときは、右下の「登録」ボタンとクリックする必要があります。
 普通の感覚では「登録」ボタンを押せば登録されて保存されたものと思うのですが、実はそれだけでは不十分で、その後に出てくる別紙や別表の一覧が出てくる画面の下の方にある「一時保存」というボタンをクリックする必要がありました。
 この2段階の操作を行って初めて、作成した別紙、別表が公益法人インフォメーションに保存されます。
 もちろん、手順を踏めば問題はないのですが、結構多くの人がトラップに陥って、せっかく作成した別表、別紙を保存できず、また一から作成するという悲劇を起こしてしまいました。
 なぜかというと、旧システムではパソコンを一定時間使用しないままだと、画面がクラッシュしてしまったからです。結構この時間が短くて、私の記憶だと5分位だったと思います。
 そうなると、登録ボタンはクリックしたものの、一時保存をクリックしていていなかったために、パソコンをしばらく動かさなかったことから画面がクラッシュし、時間をかけて作成した別表、別紙が保存されなかったという、泣くに泣けない悲劇が起こってしまったというわけです。

(2)「自動計算」の仕組みがまちまち
 別紙、別表はいろいろと数値を入力するとことがありますが、自分でクリックしないと計算結果が反映されないところもあれば、勝手に自動計算されるところもありました。このあたりがまちまちなので、計算ボタンのクリックを忘れてしまう人もよくいました。
 私の記憶では、別紙1の収支相償の欄で計算ボタンのクリックし忘れが多かった印象があります。ただ、これは旧システムの表記が紛らわしかったからだと思います。旧システムの手引きが削除されてしまったため、記憶に頼るしかないのですが、あたかも自動的に別表A(1)の計算結果が反映されるような表記だったと記憶しています。
 かと思えば、別紙1の遊休財産の計算結果や別表H(1)の計算結果は自動的に反映されていました。
 このように、画面によって、どれがボタンをクリックしないといけないのか、自動計算されるのかが分かりづらく、ミスが生じるということもありました。

(3)その他
 その他では、行の追加や削除に時間がかかり使いづらかったという記憶があります。
 役員名簿や社員総会・評議員会・理事会の議事内容を記載する欄がありますが、このあたりでは、行を追加したり削除することが多くなります。このとき、エクセルのようにサクサクと行かないので、時間がかかります。
 また、別表B(5)や別表F(1)(2)のように一部がエクセルになっているという謎の構造もありました。それだったらこれらもシステムにして、計算結果が自動反映されるようにすれば時間の短縮になるのに、と思ったこともあります。

3.新システムはエクセルで作成
 このような旧システムでしたが、新システムではエクセルで作成するという形式に変わりました。
 まだ、電子申請は行ったことはありませんが、まずエクセル一式が入った圧縮ファイルをダウンロードするところから始まります。
 このエクセルについては、事業報告等の提出の場合は「流用」ができます。このあたりは旧システムと同様です。しかしながら、事業計画等や届け出については流用はありませんでした。もっとも、流用しなくても大きな問題はない書類ではあります。
 なお、たまたまだったのかはわかりませんが、私がダウンロードしたときは妙に時間がかかりました。従って、早めにダウンロードしておくほうがよいかと思います。
 エクセルには計算式が組み込まれていますので、必要なところは自動計算されます。このあたりは旧システムよりも使いやくすくなったという印象です。
 また、エクセルなので行の追加や削除も行いやすくなりました。
 さらに、エクセルなので、旧システムのように画面がクラッシュして保存されないということもありません。エクセルの保存ボタンをクリックすればよいので使いやすくなりました。
 このエクセルを新システムにアップロードして提出するという流れです。

 ただし、旧システムと異なる点もあります。
 新システムでは、提出する前に「様式チェック」というものがあります。これをクリアしないと申請できません。
 これは形式的なチェックなので、数値の誤りまではチェックされません。
 試しに、この様式チェックを使ってみましたが、こちらも妙に時間がかかりました。このあたりは今後改善されるではないかと思いますが、今年の電子申請は早めに行うほうがよいと思います。

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